3月27日 吉備路風土記の丘は、みんなで吟行したかったところだが、句会場にいいお店がなくて保留になっていた。ところが、先日「喫茶始めました」という小さな看板
を民家に見つけた。民家のそばの古墳の映る池にはかいつぶりがいて、鴨が帰った後もまだ可愛く潜っている。池の周りは土筆がたくさん生えていて、Sさんは
一人のおかずになるだけ摘んだ。文化財の茅葺の役場の庭には梅林もある。田んぼ越しには桃畑も見える。羨ましい環境である。
いにしへを想ひしをれば蝶よぎる Gさん
初花のみるみるうちに咲く日和 Hさん
弁当は外で食べるにかぎると、男性二人はこんな句を詠んでいた。女性陣は、シルクフラワー教室にもなっている瀟洒な造りの部屋で、まわりを眺めつつ頂いた。和室の隅には古いお雛様の軸が掛けられ、茶道のお道具だけが添えてある。
雛の軸掛けてシルクの作品展 Sさん
抹茶碗自分に買うもさくら時 ひとみ
部屋にはシルクフラワーだけでなく手づくりの小物も並んでいる。私はもう一つ欲しいと思っていたお碗を記念に買った。桜の花びらのような絵柄で、陶胎漆器というそうな。
風土記の丘は、梅がはらはらと散り、彼岸桜や連翹、雪柳は今を盛りと咲き、辛夷の大木も二分ほどひらいていた。染井吉野は梢に二三輪。初々しい初桜の吟行となった。
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